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DevOps文化の普及活動リポジトリ

Table of Contents

  1. 現状の問題点
  2. 本勉強会の目的

はじめに

現状の問題点

私たちが日々従事する委託業務および学術研究(以下,研究業務)において,コンピュータは不可欠な存在です. 本来,コンピュータは我々の仕事を助けてくれるはずのものですが, その使い方を誤ると,我々は逆にコンピュータに「使われ」,不必要な作業に苦しめられることになります. コンピュータを使った業務,とくに協同作業は,もはや手作業による帳簿作業の延長ではないのです.

コンピュータの使い方を誤った業務の典型が,現状の資源評価業務です. 現状の諸問題は相互に関係しているため明確な分類は困難ですが,概ね以下の3点に集約されます.

これら3つの問題は,それぞれ以下のような副次的問題を引き起こし,結果的に業務全体の脆弱性につながっています.

これらの問題は,私たち業務担当者を肉体・精神的に消耗させ, 他の担当業務や研究活動にも悪影響を及ぼします. 今後,資源評価の手法高度化や対象魚種拡大が始まることを考えれば,業務体制の合理化は急務です. 果たして,解決策はあるのでしょうか.

本勉強会の目的

その具体的な解決策を提示するのが,本勉強会の目的の一つです. ただし,その解決策を真に理解するには,私たちの仕事の本質を, 一歩引いた視点から解釈し直す必要があります. 私たちの研究業務を本質に分解すると,以下のようになります.

こういった性質を持つ仕事を,私たちは

行っています.

このように抽象化してみると,私たちの研究業務は,ソフトウェア開発者たちの仕事と本質的に同一であることがわかります.

ソフトウェア開発者たちが,コンピュータを使った協同作業に長けていることについては疑う余地はないでしょう. 現に彼らは,生産的な協同作業に最適な手法を,20年以上も前から思考錯誤してきました. その手法は近年,「継続的デリバリー」という形で収束しつつあります. 業界は違えど,本質的には彼らと同じ仕事をしている私たちは,研究業務の効率化のヒントを彼らの仕事ぶりに求めることができるのです.

継続的デリバリーは,コンピュータでの協同作業に従事する全ての人が学ぶべき概念ですが, 私たち研究者を含めた外部のコミュニティには,ほとんど認知されていないように思います. この勉強会では,円滑なチームワークを実現するための手法「継続的デリバリー」を学ぶことによって, コンピュータと我々人間とが,どのように作業を分担すべきかを見極める眼を養います. 継続的デリバリーを構成する個々の要素は,組み合わせてこそ真価を発揮しますが, 個別に導入した場合にも,少しずつ効果を発揮します. それこそが,コンピュータに「使われる」働き方から, コンピュータを「使い倒す」働き方へシフトするための小さなステップです. 本勉強会では,これらの技術についても広く浅く解説し,演習を通じて実際に体験することができます.

たとえ継続的デリバリーそのものを取り入れることが難しかったとしても, この生産的なワークフローの極致を「知っておく」だけで, 問題を抱えた業務設計の改善点が見えるようになります. 本勉強会で紹介されるさまざまな技術を即座に身につけるための特効薬はありませんが, 個々の技術間の有機的つながりを一気に学ぶことができれば,のちの独習の効率は飛躍的に向上するはずです.

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