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DevOps部の本棚

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第2章 devopsとは何か

“devops”は文化運動だ。(p.13) “devopsは思考の方法であり、仕事の方法でもある” (p.13)

2.1 文化のための処方箋

【水研の場合】

社会構造の革新:サイロ化の解消とオンプレミスからの脱却
文化の革新:資源評価報告書文化からmdによる簡潔な報告書へ、そしてTidyデータによるデータハンドリング
技術の革新:ExcelWordからRとプレーンテキストへ

2.2 devopsの方程式

"自分のことを新しいと思っている運動には、古くないすべてのものを支持しようとする危険性がある
 (リー・ロイ・ビーチ他「Natuiralistic Decision Making and Related Research Lines」) (p.13)"
【水研の場合】

「devopsは新しく革新的な文化だから良いものだ!」と言っているよあの人たち・・・

と思われないことが大事。新しいものが良いわけでない。良さを相手の視線に合わせて伝える必要がある。

2.2.1 通俗モデルとしてのdevops

【通俗】

世間一般の人々にわかりやすく親しみやすいこと。一般向きであること。また、そのさま。
(小学館 デジタル大辞林)

2.2.2 古い見方と新しい見方

会社には古い見方と新しい見方がある

新しい文化ではすべてのことが 学習機会 となる。

【個人見解】
ヒューマンエラーをさせてしまう環境自体が問題であろう。
ヒューマンエラーは、機能問題以外の問題を炙り出す。
再度にわたるH.エラーは、根本的なシステムやアプローチの問題を炙り出す。
大きな前進へのきっかけとなる。

ケアレスミスに注意せよ、とよく言われる。
ケアレスミスが起こり得ないような仕組みを作ることで、各人に心理的・時間的余裕が生まれる。

2.2.3 devops共同体


ロッククライマーの例

ロッククライミングは登る人(クライマー)と、落下しないようハーネスを確保する人(ビレイヤー)の共同体で進められる。

手順

  1. クライマーの保持の申請
  2. ビレイヤーの保持の確保と伝達
  3. クライマーの登攀許可の申請
  4. ビレイヤーの許可

登攀するという目的が共有されており、そのためのルートは柔軟に決定され、修正される。そして、進行役と許可役の2つの立場による密なコミュニケーションのサイクルが信頼を生む。

仕事を進めていく側は、現場で物事をみているからこそ進むことが出来る。一方、その仕事を支え、許可を出すものは大局的な視野で物事を見ることが出来る。そして双方がそれぞれの視野からベストなルートを選定することができ、ダイナミックなルート修正も可能となる。


Sparkle Corpの例

Sparkle社のある部署ではベテラン社員(大佐)と新人(ジョージ)が共同で仕事をしている。ここでは、「エンドユーザーのための利益となるサイトの機能実装」が共通認識の目標として存在している。

大佐はジョージに仕事を投げるが、お互いの仕事はサイロ化していない。大佐は価値やプロセス、信念などをジョージに伝える。ジョージは助けやわからない点について大佐にそれを伝える。両者は仕事の進捗について報告しあいながら進むことができ、明確なコミュニケーションによって安心と信頼を維持する。

明確な意思疎通によって技術的・心理的・構造的な問題を削減することが出来る。

【個人見解】

devops共同体には以下の要素が重要だろうと考えてみた。
- 明確に定義された目標の共有(DOC?)
- その場その場でのコミュニケーション
- 理解をダイナミックに調整・修正。直すこと、削除する勇気

【水研の場合】

明確に定義された目標の共有:水産資源の利用と保全
その場でのコミュニケーション:サイロ化
理解をダイナミックに調整・修正:伝統的な.xlsを引き継ぐウナギのタレ方式

誰かがその機能を担当するだろうとか、そのうち終わるだろうといった考えは改める。そしてソフトウェアの本来の動作を妨げているバグを修正する。本番環境でものごとが期待どおりに進まないときは、プロセスを直しドキュメントにも反映する。(p.16)

本章のdevops共同体の考えは本書全体で一貫している。このような文化的側面が技術的側面と合わさり、共通の相互理解を構築する。明確に、恐れずに、目的を共有しながらコミュニケーションをとることの大事さを胸に刻むべきであろう。