DevOps部の本棚
“devops”は文化運動だ。(p.13) “devopsは思考の方法であり、仕事の方法でもある” (p.13)
【水研の場合】
社会構造の革新:サイロ化の解消とオンプレミスからの脱却
文化の革新:資源評価報告書文化からmdによる簡潔な報告書へ、そしてTidyデータによるデータハンドリング
技術の革新:ExcelWordからRとプレーンテキストへ
"自分のことを新しいと思っている運動には、古くないすべてのものを支持しようとする危険性がある
(リー・ロイ・ビーチ他「Natuiralistic Decision Making and Related Research Lines」) (p.13)"
【水研の場合】
「devopsは新しく革新的な文化だから良いものだ!」と言っているよあの人たち・・・
と思われないことが大事。新しいものが良いわけでない。良さを相手の視線に合わせて伝える必要がある。
【通俗】
世間一般の人々にわかりやすく親しみやすいこと。一般向きであること。また、そのさま。
(小学館 デジタル大辞林)
会社には古い見方と新しい見方がある
新しい文化ではすべてのことが 学習機会 となる。
【個人見解】
ヒューマンエラーをさせてしまう環境自体が問題であろう。
ヒューマンエラーは、機能問題以外の問題を炙り出す。
再度にわたるH.エラーは、根本的なシステムやアプローチの問題を炙り出す。
大きな前進へのきっかけとなる。
ケアレスミスに注意せよ、とよく言われる。
ケアレスミスが起こり得ないような仕組みを作ることで、各人に心理的・時間的余裕が生まれる。
ロッククライミングは登る人(クライマー)と、落下しないようハーネスを確保する人(ビレイヤー)の共同体で進められる。
登攀するという目的が共有されており、そのためのルートは柔軟に決定され、修正される。そして、進行役と許可役の2つの立場による密なコミュニケーションのサイクルが信頼を生む。
仕事を進めていく側は、現場で物事をみているからこそ進むことが出来る。一方、その仕事を支え、許可を出すものは大局的な視野で物事を見ることが出来る。そして双方がそれぞれの視野からベストなルートを選定することができ、ダイナミックなルート修正も可能となる。
Sparkle社のある部署ではベテラン社員(大佐)と新人(ジョージ)が共同で仕事をしている。ここでは、「エンドユーザーのための利益となるサイトの機能実装」が共通認識の目標として存在している。
大佐はジョージに仕事を投げるが、お互いの仕事はサイロ化していない。大佐は価値やプロセス、信念などをジョージに伝える。ジョージは助けやわからない点について大佐にそれを伝える。両者は仕事の進捗について報告しあいながら進むことができ、明確なコミュニケーションによって安心と信頼を維持する。
明確な意思疎通によって技術的・心理的・構造的な問題を削減することが出来る。
【個人見解】
devops共同体には以下の要素が重要だろうと考えてみた。
- 明確に定義された目標の共有(DOC?)
- その場その場でのコミュニケーション
- 理解をダイナミックに調整・修正。直すこと、削除する勇気
【水研の場合】
明確に定義された目標の共有:水産資源の利用と保全
その場でのコミュニケーション:サイロ化
理解をダイナミックに調整・修正:伝統的な.xlsを引き継ぐウナギのタレ方式
誰かがその機能を担当するだろうとか、そのうち終わるだろうといった考えは改める。そしてソフトウェアの本来の動作を妨げているバグを修正する。本番環境でものごとが期待どおりに進まないときは、プロセスを直しドキュメントにも反映する。(p.16)
本章のdevops共同体の考えは本書全体で一貫している。このような文化的側面が技術的側面と合わさり、共通の相互理解を構築する。明確に、恐れずに、目的を共有しながらコミュニケーションをとることの大事さを胸に刻むべきであろう。